一人で暮らしていると、美味しいコーヒーを入れるのがもったいない。
実家で暮らしていた頃は、自分が飲みたくなって入れればコーヒーメーカーから漂う香りで、ワシもワタシもと親からオーダーが来るので、3人分メーカーで作れば一回で使い切れた。
メーカーが壊れてしまって、いいや、普通にドリッパーとフィルターに挽いた豆入れてお湯注いだらいいんだし、と既に挽いてある豆のパックを買って何年もしのいできたけど、チビチビちょっとずつ飲むもんだから、淹れたコーヒーがすぐに酸化しておいしくなくなるので、1日に何回も入れなきゃいけない。
とうとうそれにも辟易してしまい、インスタントコーヒーを買うようになった。ついにお湯を入れて溶かすだけの安楽さに味をしめてしまった。
お酒が飲めない僕は、コーヒーとタバコが欠かせない。
タバコは加熱式にチェンジして数年、物足りなさもなくなった。
数字三桁が商品名になっている、値段がお手頃で酸味が効いてまあまあイケるコーヒーを、嗜好っていうだけではなくて、日々のモヤモヤを吹き飛ばしたかったり、緊張をほぐしたい動機で、朝仕事の前に飲み、夜も眠れなくなろうがお構いなしに気にせず何杯も飲んでいる。
喫茶店でコーヒー飲んで楽しく話しながらタバコを吸う楽しみも許されなくなり、タバコが吸えますと謳う喫茶店ですら、加熱式たばこであっても離席して専用ブースへ行って吸ってくださいと言われる始末で、結局タバコとコーヒーは自宅で楽しむだけになった。
友達と電話をしてたりするとつい増えてしまうのだけど、最近、また飲む量が増えている。
たくさん飲むんですね、と言われて、改めてほんとだ、コーヒー飲んでばっかだなあと頭をかきながら、自分の感情に気づく。
今年の桜の開花は少しだけ遅くなるらしい。
それでも必ず春はやってくるし、いよいよ、本当にやってくるのだな、ありがたいことだなあ、などといつもとは違う気分で、何年も何年もずっと待ち焦がれていた、あの春が来るのを迎えようとしている。
遅れてくれたおかげで、毎年一人で楽しんでいる桜並木のお花見に、ちょうど誘えるタイミングになりそうだ。
というわけで、何やら浮かれているのでありました。つまりそういうことです。
とはいえ、コーヒーの飲みすぎには気をつけないといけない…。
またコーヒーメーカー買おうかな。ちょっといいヤツ。