ゲイの視線、バイの視点。

愛と思いやりをもって、最後まで生き抜くのみ。

#0148 いま、にいること。

人間は目に映る世界を、既にある過去の記憶から解釈して、意味をつける。 過去が前向きな記憶なら、今も前向きになる。 過去が辛くて苦しく、悲しい記憶ばかりなら、 今目に映る彩りのすべてが、僕を怯えさせる。 必死に僕は傷つけられないように身を守り、…

#0147 遅れていても必ず来る春

一人で暮らしていると、美味しいコーヒーを入れるのがもったいない。 実家で暮らしていた頃は、自分が飲みたくなって入れればコーヒーメーカーから漂う香りで、ワシもワタシもと親からオーダーが来るので、3人分メーカーで作れば一回で使い切れた。 メーカー…

#0146 寒風の早春賦

人が人に恋心や恋愛として惹かれる時、具体的にどういう相手に惹かれるのか。 似た気質や外見に惹かれる場合もあれば、異なる性質に惹かれる場合もある。 その視点から見ると、ゲイであるというのは、そのありようがある種とてもわかりやすいなあ、と思う。 …

#0145 物語の効用

正月早々に大きな地震があって、慌てて災害備蓄の再点検をしつつ、地震で住んでいるマンションが大丈夫だったとしても想定されている震度6強、震度7の揺れで周りの木造家屋が崩壊し、火災が起きて火災旋風になって火が回ってきたら備蓄も何もかも無意味にな…

#0144 脚本を書いている張本人

お互いに仕事のシフトをなんとかやりくりして一緒に過ごす約束をし、プレゼントと小さなケーキを買って、夜、駅まで迎えに行く。改札で僕を見つけ、人混みをかき分けて喜々として駆け寄ってくる彼女の姿は鮮明に記憶している。20年ほど前の話だけれど。 それ…